July 28, 2005

小さい新球場で大きく

ちょっと話題に乗り遅れた感がありますが、先日サンフランシスコ・クロニコルにこんな記事が↓。

"A's will go small to sell big - A new 35,000-seat ballpark may boost season tickets" (Tom FitzGerald)

これによると、オーナーグループの筆頭格ルイス・ウルフは、席の希少価値を高めシーズン券収入を増やすために、新球場の収容人員をSBCパークや、それよりも小さいフェンウェイ・パーク並みの35,000人程度で計画することを明らかにしたようです。今シーズンの一試合平均の入場者数が約24,000人に対して、マガフィー・コロシアムの収容人数が43,662人と明らかに多いので、ファンが常に当日券があると分かっているために、シーズン券が売れなくて収入が伸びていないそうです。

 いくら人気球団の対岸に本拠地を置くチームでも、水曜日、内野5階席2ドルデー Presented by BART でも球場はおろか叩かれた5階席も満席になることはまれ、という状況ですので、球団が新たに設定した計画収容人員は妥当な線ではないでしょうか。

 観客席が小規模になることに加え、球団側は野球専用球場にふさわしい、ファールゾーンの狭いフィールドにすることも明らかにしていますので、現在難航している建設資金確保や、予定地選定も楽になるように思います。フィールドも観客席もこぢんまりしたものになるということは、必要用地面積も小さくなるはずですので、ここで取り上げられている数々の試案の一つ、オークランドのダウンタウン北寄りに建設する ”Uptown Urban Plan” のデメリットが無くなります。必要予算も小さく、BARTの19th St.駅からわずか1ブロックしかなくフリーウェイもすぐ近くを走っていますので交通の便は抜群ですし、新球場効果でダウンタウンの治安も少しはよくなるかもしれません。

 ほぼすべてを民間資金でまかなったSBCパークの建設・運営が表面上は成功していることから、オークランド市が建設資金提供に否定的ですが、A'sのオーナーグループにはGap創立者の息子で大富豪のドナルド・フィッシャーがいますので、その財布を頼りにそろそろ本格的に新本拠地建設を始めていただきたいところです。